趣味のきもの 竹うち:加賀友禅・牛首紬・印傳

着物(呉服)のメンテナンス

着物に汚れが付いたら・・・・
こすらず(毛羽立ちの原因になります)、汚れを包み込むようにして取り除きます。
繊維に染み込んだ汚れはなるべく早くシミ抜きに出しましょう。

着物(呉服)は洋服と違い頻繁に洗うものではないので、汚れやシミにはシミ抜きで対処するのが基本です。
着る頻度にもよりますが、全体に汚れたら丸洗いに出します。
長い期間着る予定のない着物はきれいにした後「きものキーパー」に入れて保管するのが便利です。

こんにち、着物の保管で一番のトラブルは虫害ではなく、カビの被害です。
一度も着ていなくても、雨に当たらなくても、仕舞いっぱなしにしておけば、カビは生えます。
防カビ効果、調湿効果のあるきもの保存剤を箪笥に入れて期限がきたらお取り替えして下さい。
長い期間着る予定のない着物はクリーニングしてから「きものキーパー(保管期間5年)
入れて保存して下さい。

脱いだあと、タンスに片付ける前や、シーズン終わりに

日々着たあとは着物用ハンガーに掛けて体から出た湿気を除きます。
・柔らかいブラシや乾いたタオルでホコリを払います。
・衿や袖口、裾の汚れを中心にチェックます。
・ゆかた等の太物は、シーズンオフに「水洗い」をお薦めします。

虫干し


現代の家屋や収納家具は気密性が高く湿気がこもりやすくなっています。年に1度は必ず虫干しを行ってください。
虫干しとは言いますが、絹物の虫干しは、かび対策が主です。
着物のお手入れは土用干し(7月~8月)、虫干し(10月~11月)、寒干し(1月~2月)の年3回と言われてきました。

しかし雨や雪の日が多い北陸では土用には湿度の高い日も多く、空気が乾燥し、湿度が低い「虫干しの時期」が最適と思われます.。
虫干しでは夏についた虫や卵を追い払い、箪笥の引き出しも掃除します。(害虫の成虫は春に野外で出没し、秋にかけて産卵します。)

本当はそれぞれの時期、土用干し、虫干し、寒干しに干せると良いのですが、なかなか干すのも畳むのも大変な作業です。
タンスの引き出しや扉をあけて、タンスの中に空気を通すだけでも違うのでお試し下さい。

丸洗い


丸洗いは着物を解かずにデリケートな着物の生地に適した特殊な溶剤でドライ専用の洗濯機を使い全体の汚れを落とします。
油性の汚れに強く、着物全体についた手垢・皮脂・ファンデーション・排気ガス、埃・塵等の汚れに効果的ですが、
汗や雨などの水性の汚れは落とす事ができません。汗を落とすには水洗いが必要です。
着用のたびに「丸洗い」と仰るお客様もいらっしゃいますが、頻繁な洗いは生地を傷める可能性もあります。普通はシミ抜きで対処すれば良いと思います。


「丸洗いしてからしまったのに、シミができている」
丸洗いをしても汗の汚れは落とすことができません。
汗を落とすには水洗いが必要になります。汗をかいた着物は必ず汗抜きや水洗いをしてください。
カビは丸洗いでは落ちません。丸洗いしても、カビの菌は残ってしまうためカビを叩きだすシミ抜き作業が必要です。

汗抜き


水溶性の汚れ(汗・雨・尿等)は、丸洗い(揮発性クリーニング)では落ちません。汗は水で落とします。
✽汗の成分のほとんどは水分ですが、塩分蛋白質、アンモニア、脂質などからなっています。水分が蒸発すると、汗の成分が繊維に残り、汗ジミになってしまいます。
絹は塩分にとても弱く、黄色く変色してしまう時間も早く、半年くらいで黄変してしまいます。
✽蛋白質は、時間が経つと黄ばむのが特徴です。黄変する前であれば水を使って楽に落とせるのですが、いったん黄変してしまうと漂白して色をかけるという、手間のかかる作業が必要になります。

✽普通着物に汗が付着する部分は限られています。衿、袖口、両脇、帯下、ひざの裏部分などが主です。

「汗抜き」は、汗を吸い込んでいる部分部分に汗を落とす洗剤と霧状の水をかけ、汗に含まれる「塩分」「蛋白質」「乳酸」などを叩き出すプロの技術です。
生地が縮まないよう加減をしながら、これを繰り返します。

✽パールトーン加工してあっても汗抜き作業をせずにそのままにしてあると汗成分が絹を変色させてしまいます。
汗抜き併用丸洗い
汗抜きの他に全体の丸洗いも行います。
汗などの水性の汚れも、衿や袖口の皮脂などの油性の汚れも両方落とします
しばらく着用の予定がないお着物にお勧めします。

カビ取り


カビは、湿度と蛋白質や脂肪などの栄養があるところであれば、どこにでも発生します。
カビはウールや絹のような蛋白質繊維を特に好みますが、湿気や、糊などの栄養があれば繊維の種類を問わずカビの原因になります。
カビは長期間放置しますと絹の蛋白質を変質させて生地をだめにします。カビを見つけたら早急にカビ取りにお出しください。
乾燥させてブラシなどで落とすことはできてもカビの胞子が残りますので、また生えます。
またカビは丸洗いでは落とせません。丸洗いしても、カビの菌は残ってしまうためカビを叩きだす作業が必要です。

とにかく仕舞いっぱなしはカビの原因です。たまにお召しになるなり、湿気の少ない日にタンスから出して点検してみるなど、新しい空気に触れさせて乾燥を心がけ、防カビ剤などの取り替えをすることも大切です。

カビ取りが済んだ着物や帯は元の文庫紙(関東ではたとう紙)に戻さず、新しい文庫紙と取り替えて下さい。