趣味のきもの 竹うち:加賀友禅・牛首紬・印傳

八千代の着物記(ごあいさつ)

こんにちは。『竹うち』の女将見習い八千代です。
私は仕事柄、大抵の日は着物で過ごしていますが、毎日というわけではありません。
儀式、茶席着にフォーマルを、お稽古や仕事着にお出かけ着を着ています。
家着としての着物はあまり着ませんが、「気負いすぎず、自然に着物を楽しみたい」と思っています。

このコーナーでは、私の着物事情、お手入れなど暮らしの中での着物について実感していることを書いていきたいと思っています。
どうぞよろしくお願いします。

私の着物事情

私の父方の祖母、母方の祖母も、母も茶道をしていたので、着物もそれなりに持っていました。
なかには洗い張りをして私が譲り受けたものもあります。
私の箪笥にはそれらの着物に加え、自分用に仕立てたものも入っているため常にぎゅぎゅう詰めの状態です。

しかしどれだけ数があっても「よく着る着物」はだいたい決まってきます。

そうなると、もうこれ以上着物を仕立てなくてもいいのでは?と思いますが仕事がら新しい商品を試す機会もあります。
取り扱っている商品の着心地や生地の良さを自分で体験しないことには、お客様におすすめすることはできません。

もっと厳選して持つ着物の数を減らし必要最低限のものだけでやりくりするミニマリストのような生活スタイルにも憧れますが、実際はそうもいきません。(^-^;)

着物との基本的な付き合い方


軽い着物や帯を選ぶようにしています。
帯はおもに織りの名古屋帯を締めています。帯結びは、お太鼓を基本にしています。
半襟、足袋は白が基本。
指輪、イヤリング等のアクセサリーや腕時計は付けないようにしています。

寸 法

私の着物の寸法は、身長があまり違わない母から譲られた着物の寸法と、現代版の標準寸法を参考に決めました。
身丈(肩から)4尺3寸5分、裄1尺7寸7分、肩幅8寸7分、袖幅9寸、前幅6寸7分 後幅8寸、衽幅4寸。
お茶をしているので前幅は広め(6寸7分)にしましたが、他はあまり変わった寸法にはしていません。
もう少し考えようがあるのかも知れませんが、着にくいと感じたこともないのでよしとしています。
袖丈は慶事の絵羽物は1尺4寸に、他は永く着られるのと動き易いように、1尺3寸にまとめました。

家 紋


当店の紋入れは、金沢の紋章上絵師さんに手描き紋を入れてもらっています。


うちの家紋は「丸に笹竜胆(ささりんどう)」で、母と私は丸なしの笹竜胆を入れています。(竹内家の紋を囲んだ丸の線を取り除いたものです。)
母は母の実家の「抱き茗荷(丸ナシ) 」の着物と、竹内家の「笹竜胆(丸ナシ)」が入った2種類の着物を持っています。
祖母が生きていたとき、「女は2つ紋を担ぐ」とか「紋はスポンサーの紋」とか言っていたのを覚えています。(^_^)

私の着物は喪服に五ツ紋、弔事用無地替わりに一ツ紋を入れて仕立ててありますが、訪問着、付下げ訪問着、付下げには基本的に紋を入れずに仕立てています。お茶関係で紋が必要となったらあとから入れます。
将来黒留袖が必要になったら五ツ紋、色留袖なら三ツ紋を入れて仕立てると思います。

パールトーン加工

仕事やお茶でよく着るので大抵の着物、長襦袢にはパールトーンをしていますが、パールトーンをせずに着ているものもあります。
母から譲られた泥の大島紬などは雨に強い生地だし、その柔らかさ、着心地の良さに惹かれ、パールトーンをせずに着ていてその後洗い張りをして仕立て直しもしました。
でも新しく仕立てる紬などは、パールトーンをするかしないかで迷うこともあります。
紬等の先染めの物のシミ抜きは地糸、絣糸の色にまで影響することがあるのでシミ抜きにも限度があります。

パールトーンには賛否両方の方がいらっしゃるのは判っています。
・風合いが変わると言われる方もいらっしゃいますが、昔の防水加工ではいろいろあったようですが、パールトーンではあまり感じていません。
・シミ抜き、洗い張りの時、パールトーンしてあると作業の邪魔になるとも聞きますが、経験回数は少ないもののパールトーン社に出せばなんとかなってきました。
・染め替えが上手くいかないとのご意見もありますが、そもそも私は色無地をはじめ染め替えをする気はないので、何とも言えません。
・パールトーン直後には、パールトーンしてない物よりシワになりやすいともおっしゃる方がいらっしゃいます。
単衣などではそうかなと思った経験もありますが、私はけっこうヘビロテで着るのでそのうち感じなくなっています。
ほかにもいろいろあるかも知れませんが、家事やお茶などで水仕事も多く、柔らかものは縮緬地が多い私は気を付けるようにしていますが、撥水力、アフターケアシステムには大感謝です。

お手入れ

着用後の着物は、着物用ハンガーに掛けて一晩吊るしておき、湿気を取り除きます。ブラシや乾いたタオルなどで着物に付いた埃を払います。

同時に、汚れや汗、シミ等をチェックします。汚れやシミを見つけたら、「シミ抜き」に出します。
ひどく汗をかいた長襦袢や着物は「汗抜き」や「汗抜き丸洗い」に出します。

パールトーンをしてある着物や襦袢は、シーズン終わりに無料の「アフターケア」に出しますが、
全体に汚れてきたものは、パールトーン社の「丸洗い」(有料)に、
特にひどく汗をかいた長襦袢はすぐに「超汗取りクリーニング」(有料)に出しています。

母は、丸洗いやパールトーンはあまりしていませんでしたが、大切に着て、点検をし、大抵のトラブルは「シミ抜き」で解決していたそうです。

保 管

あまり着る機会のない着物や、長襦袢、帯はシミ抜きやパールトーンのアフターケアや丸洗いできれいにしてから「きものキーパー」に入れています。

よく着る着物でパールトーン加工してあるものは、シーズン終わりにパールトーンのアフターケア後、桐の箪笥に「そうび」と一緒にしまっています。
よく着る着物でパールトーン加工をしていないものは、シーズン終わりに必要に応じてシミ抜きや汗抜き、丸洗いに出したあと箪笥に「そうび」と一緒にしまっています。

箪笥の着物や帯は日常着たり、「そうび」の入れ替え時に点検するようにして、何年も触らずしまいっぱなしにならないようにしています