加賀友禅は国の「伝産法」、産地の「落款制度」,「産地商標」により守られ
お客様に分かりやすい、安心な商品として信頼を積み重ねてきた着物、帯です。

加賀染と加賀友禅

加賀友禅は、金沢において江戸時代前期までに完成された「加賀染」という染色技法を基に、
宮崎友禅斉が藩の御用紺屋である太郎田屋と協力して模様染を行ったことに始まると伝えられています。

✽加賀染の技法は室町時代中期からあり、梅皮や渋を用いて染めるもので染め度合いで梅染、赤梅染、黒梅染と呼ばれていました。その後、色絵、色絵紋の模様染めが加わり今日の基礎となっています。

加賀染と加賀友禅の呼称については厳密には上記のようなことですが、
産地や北陸では現在でも加賀友禅を親しみを込めて加賀染と呼び習わしてしいます。

加賀友禅が現在のように京友禅と肩を並べるほど有名になったのは、昭和30年(1955)に木村雨山氏が人間国宝に認定されたことによります。

天才 木村雨山が登場するまでは、加賀友禅は京友禅より格下という見方が一般的で、地元金沢でも富裕な家庭では嫁入り支度などは京都で誂えていたといわれています。

その後、伝産法に基づく後継者育成事業、品質表示事業などを推進してきた「協同組合 加賀染振興協会」の努力や、加賀友禅の現在を築いた、談議所栄二氏、毎田仁郎氏、水野博氏、矢田博氏、初代由水十久氏、能川光陽氏、梶山伸氏、成竹登茂夫氏をはじめ著名な作家を多数輩出したことにより加賀友禅は金沢の一大産業となり、全国的にその名を知られるようになりました。


落款制度と「加賀染振興協会」の検査を通過した製品にのみ発行される「産地商標」は,作家さんの技量と加賀友禅の手造り伝統工芸品としての品質を保証し、お持ちいただくお客様に安心と、誇りをご提供しています。

加賀友禅の特徴


-写実的な花鳥山水の模様を中心とした絵画調の柄で、金箔等の加飾をしない-


「加賀友禅」の第一の特徴は、基本的には「染」の技法のみで作られていることです。

色柄は、華やかな中にも武家風の落ち着いた品格があり、
北陸金沢という風土が彩色や柄などに大きく影響しています。

また、工程ごとに職人がいて一枚の着物をを仕上げる分業制の京友禅や東京友禅に比べ、
図案の作成から下絵、彩色まで一人で手掛ける加賀友禅は、作家の個性が出やすいのも特徴です。

加賀友禅が絵画調といわれるのは、手描友禅自体が描きたいものが自由に描ける技法であることと、
京友禅が洗練された構成・デザインに重きが置かれるのに対し、
加賀友禅では写実的な描写緻密な彩色が特徴だからともいわれます。

✽京友禅は超有名なブランドですが、長い歴史の中でいろいろのものを染め過ぎて特徴がなくなってきていると言われています


加賀友禅の柄 ・技法


京友禅は公家、豪商向きの豪華絢爛に対し、加賀友禅は武家向きの落ち着いた気品のある美しさがあります。

柄は 幻想的な空想の世界 を、スケッチを重ねた写実的な描写 で描いた草花模様を中心としたものが多く、
写実性を高めるための白上がりの線の太さに変化をつけ、装飾効果をも高めています。
虫喰い、グラデーションを多用します。

✽「幻想的な空想の世界」:草花模様で言えば、季節違いの花や四季の花が同時に咲いた図柄など


色彩は「加賀五彩」といわれる藍、臙脂、黄土、草、古代紫を基調とした多彩な色調の作品が多く、
色のぼかしは外が濃く内側に向かい少しずつ薄くなっていく外ぼかし技法が多く使われています。
しかし全てが外ぼかしだと均一な感じがするので、内ぼかしも使うことがあります。

加賀友禅の価格や出来映えの差


加賀友禅は同じ作家さんの同柄の作品であっても価格や出来映えが違うことがあります。
その原因の一つには産元卸商社間で制作方針が違い、卸し価格も出来もかなり違います。
各商社により、使用する白生地の違いや、携わる職人さん(糊置き・引き染・染色補正師)などが違うからです。

加賀友禅の人間国宝


人間国宝・木村雨山

明治24年2月21日-昭和52年5月9日(1891-1977)
金沢市生まれ、本名木村文二(きむら・ぶんじ)。
石川県立工業補習学校自在画図案科卒業後、上村(うえむら)松太郎のもとで加賀友禅を修行。
昭和9年(1934)帝展特選、12年(1937)パリ万国博覧会銀賞。
29年(1954)第1回日本伝統工芸展に出品以来、同展で活躍。
30年(1955)日本工芸会理事就任。51年(1976)勲三等瑞宝章。

人間国宝・二塚長生

1946年(昭和21年) 8月12日富山県高岡市生まれ。
2010年(平成22年9月6日) 重要無形文化財「友禅」の保持者に認定。
江戸時代中期に流行した、糸目糊置きのみによって模様を白く表す「白上げ」と呼ばれる技法を駆使し、水や風等の自然の動きを抽象的に表現する。
その伝統的な技法を踏まえつつ、斬新でダイナミックな作風は、高い評価を得ている。